地盤は建物の重さを支え、人々の暮らしを守る重要な役割を持っています。
強固な地盤は建物にとっても良いことがたくさんあります。
建物の重さを支える
建物の重さを支える
地盤が弱いと建物が傾く恐れがあります。建物が傾くと、戸が閉まりにくくなったり吐き気やめまいなどの体調不良を起こす可能性があります。
地震などの災害に対抗する
地震などの災害に対抗する
地震や洪水などの自然災害への耐久性が高まります。
建物・構造の寿命を延ばす
建物・構造の寿命を延ばす
安定した地盤の上に建つ建物は基礎や外壁のひび割れや、ゆがみが少ないため建物や構造の寿命を延ばすことにつながります。
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地盤調査って?
地盤調査とは建物が建てられる前の地盤(土地)の状態を調べるものです。
建物の重さは階数や使用する材料によって異なるため、一般的にどのような建物を建てるかある程度決まった段階で実施します。
建物の種類や規模によって、地盤調査の方法や使用する機械を使い分けて、その土地にあった最適な地盤調査を実施しています。
地盤調査によって、主に5つのポイントが分かります。
01
過去にどんな土地だったのか
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どんな土質の層が
どのくらいの深さまで
続いているのか
※SWS調査では
土質は判定できません。
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地盤の強度(建物の重さを支えられるかどうか)
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地下水の有無と深さ
05
液状化の可能性
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地下水の有無と
深さ
05
液状化の可能性
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地盤調査は必ず
しなくちゃいけないの?
見た目は強そうな地盤に見えても地中は弱い地盤であることがあります。
建物を支える地盤だからこそ、建物の基礎となる地盤の安定性を把握する必要があります。
2000年の建築基準法の改正、住宅の品質確保の促進などに関する法律(品確法)により、
新築物件の場合、実質的に地盤調査が義務付けられています。
建築基準法施行令 第三十八条(基礎)
建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及びが外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。

第三十九条(地盤及び基礎ぐい)地盤の許容力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によって、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。ただし、次の表に掲げる地盤の許容応力度については、地盤の種類に応じて、それぞれ次の表の数値によることができる。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十四条
  • ・住宅性能表示制度を制定
    災害に対する耐力性、火災時の安全性、省エネ性能、防音性能 など
    様々な住宅の性能を分かりやすく表示します。
  • ・指定住宅紛争処理機関を整備
    売主と買主の間で紛争が起きた際に、迅速な解決をサポートします。
  • ・10年間の瑕疵担保責任を義務化
    購入から10年以内の新築住宅の、基礎・柱・屋根などの主要構造部分欠陥があった場合  無償で直します。
住宅瑕疵担保履行法 2009年10月以降、住宅事業者は、新築住宅かし保険への加入などにより十分な修理費用を賄えるようにしたうえで新築住宅を引き渡すこととされました。
この責任の履行のために「保険」もしくは「供託」のいずれかの措置をとることが義務化されました。
この保険に加入するために
地盤調査の結果が必要!
調査員のイラスト
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地盤が強い土地を
選ぶ方法は?
古い地図や建物を
参考にする
地図
古い地図と見比べることで、かつてどのような土地だったのか知ることができます。注目すべきポイントは川、池、沼などの位置、海岸線などの水場です。
  • ・強い地盤
    昔からある集落、近くに神社やお寺などがある
  • ・弱い地盤
    川・池・沼など
    盛土や埋め立て地は比較的弱い地盤であることが多い
既存の地盤データや
災害情報を確認
国土数値情報ダウンロードサイト 5万分の1土地分類基本調査(都道府県調査)
国土交通省ハザードマップポータルサイト わがまちハザードマップ
国土交通省ハザードマップポータルサイト 重ねるハザードマップ
地名を参考にする
土地
昔の人々は、災害の歴史や土地の特徴を地名に込めて残してきました。
そのため、地名からどういった土地なのか予測することができます。
ここでは一部のみご紹介します。
水害の恐れのある地名 さんずいの付く漢字、生き物や植物を表す漢字が良く使用されています。
池・沼・津・滝・浮・鶴・竜・釜・合 など
液状化の恐れのある地名 沼地などを埋め立ててつくられた土地を表すことがあります。
鮎・梅・田・窪・緑 など
土砂崩れの恐れのある地名 猿・蛇・柿・倉・桜・椿・萩 など
その他に… 「川内」「中里」… 川の中州や川に挟まれた地形
「江戸」… 入江の入り口
「川崎」「川尻」… 川の終わり、陸地との境目
「久保」「窪」… 窪地、水たまり
「吉田」… 葦のしげる場所、浅瀬の水辺
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地盤調査の実施方法
(当社の場合)
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ある程度間取りが決まったら必要な図面を添えて、工務店や不動産会社を通して依頼します。
地盤調査会社と調査方法や実施する日程を調整し、地盤調査を行います。
地盤調査結果について
SWS(スクリューウェイト貫入試験)の場合、半日程度で調査が完了します。
使用した機材や調査の様子、取得したデータ等をまとめて地盤調査報告書をご提出いたします。
調査結果資料
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SWS試験
地盤調査データの見方
地盤調査で得たデータはこのようにまとめられています。
※実施する方法、機械によって記入内容が相違する場合があります。
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項目の説明
計算式 支持力の計算方法
測点番号 地盤調査の位置
孔口標高 基準となる位置からの地盤の高低差
荷重(WSW) 5Kg、15㎏、25㎏、50㎏、75Kg、100Kg、と段階的に荷重をかけてロッド(地面に突き刺した鉄の棒)がどのくらい沈むか測定します。
半回転数(Na) ロッド半回転を1回とし、25㎝貫入した際の回転数を測定します。
1mあたりの半回転数 半回転数(Na)を1mあたりに換算したものです。
音感・感触 ロッドの貫入時の音や感触が記載されます。この情報から推定の土質が分かります。
貫入状況 打撃回数などの情報を入力しています。
石などの固いものに当たった際にはハンマーで叩いて支持層かどうか確認することがあります。
換算N値 地盤の強度を示す換算値です。
許容支持力 地盤が建物の荷重に対し、どのくらい耐えられるかを表すものです。
(1㎡あたり、何tの荷重に耐えられるか)
SWS試験は正確に土質を把握するものではありません。
そのため調査機に取り付けるサンプラーで地中の土質を採取し、土質判定を行います。