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身近な科学


建設部の大西です。

みなさま。
立春を過ぎたとは言え、まだまだ寒い日が続いていますね。
現場作業をしていると悴む指先、行き帰りの道中で丸まる背中、寒い寒いっ!
一日のお仕事が終わって「おかえりなさい」の一言だけでも、ずいぶんと温かいものですが…

冷えてしまった身体を芯から温めたい、そんな日の夕飯は鍋!鍋!鍋!ですよ!!
準備も簡単、野菜も沢山食べられて、そのうえ後片付けも楽チンです!!!(某メーカーの回し者ではありません)

近頃は一口に鍋料理と言っても、いろいろありますね。水炊き、寄せ鍋、しゃぶしゃぶ、キムチ鍋…
その中でも、わが家のお鍋でフル出場を果たしている具材が「豆腐」なんです。

~豆乳と豆腐、泥水と粘土~
豆腐が豆乳を固めたもの、というのは何となく分かると思います。
そして豆乳とは、大豆に含まれるタンパク質、糖質、脂質が水に溶けているものです。
しかし単に水に溶けていると言っても、食塩が水に溶けた食塩水とは成り立ちが異なります。
大豆のタンパク質や脂質は、分子やイオンよりも大きなもので水の中では「コロイド」と言われる粒子になっています。
豆乳の場合は親水コロイドと言って、コロイドの周りを水分子が仲良く取り囲んでいる状態です。
コロイド同士がくっつこうとしても、周りに水分子がいるのでくっつくことが出来ません。
ここに「にがり(塩化物イオンを含む液体)」加えると、水分子がイオンに奪われ、コロイド同士がくっついて沈澱を始めます。
これが豆乳が固まり、豆腐が出来る仕組みです。

さて突然ですが、ここからは地盤のお話しです。



実は河口付近の粘土も、コロイド粒子の沈澱から出来るのです!
大雨が降った後、河川の水が濁っているのを見たことがあると思います。
これは粘土の土粒子が水の中でコロイド粒子となり泥水になっているのです。
土粒子の場合は水分子との仲が悪く、疎水コロイドと言われる状態です。
コロイドを取り囲む水分子はいませんが、粘土の粒子はマイナスの電荷を持っているため、コロイド同士は反発し合あいくっつきません。
河川の水はやがては海に流れ込みます。
大雨のあと少しの間は河口の水も濁っていますが、そのうち元の透明度に戻りますね。
これは海水に含まれるイオンによってコロイドの電荷が失われ、粒子がくっついて大きくなり沈殿するからです。
河口に三角州ができるのはこれが原因のひとつです。
豆腐も粘土も、成り立ちは似ている…もしかすると性質も似ているのかも!?
でも残念ながらご飯時には向かない話題かもしれませんね。
さあ今夜も美味しいお鍋で温まりましょう!

写真

<参考文献>
豆腐および豆乳のための豆乳コロイドの生成




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